空き家の問題点~実家に住んでなくても年間50万円以上の費用が必要

空き家 固定資産税

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実家の空き家には年間50万円以上の維持費用がかかる!きちんと管理しないと更に税額が上がる!

ちえ

実家に住んでいなくても、税金や維持するためのお金がたくさんかかるって聞いたのよ。いったい幾らくらいかかるのかしら?
実家の維持管理にどれくらいお金がかかるのか調べてみました。
実家が「一戸建て」でも「マンション」でも、なんと年間50万円以上の費用が必要になるんです!
どんな費用が必要なのかご説明します!

まなぶ

空き家の問題点
  1. (安全面)田舎の実家が空き家でご近所が大迷惑!どうする?
  2. (法律面)1年間放置すると税金が6倍、強制取り壊しもある!
  3. (費用面)実家に住んでなくても年間50万円以上の費用が必要
  4. (試算活用面)住まない家はどんどん傷み、価値もどんどん下がる

実家の空き家にかかる費用はいくら?

あなたが持ち家に住んでいるなら、実家(親の家)を譲り受けたとしても、実家に移り住む可能性は低いですよね。

今住んでいる家とは別に、もう一軒の「住まない家」を抱えることになるのですから、家の維持管理の費用や税金も2倍かかることになります。
では、実家には一体いくらくらいの費用がかかるのでしょうか?

あくまでも目安ですが・・・
実家が「地方都市の新築木造一戸建て」の場合と「東京23区内の新築マンション」の場合とを想定して、2つのパターンで年間に必要な税金や費用がいくらなのかを見てみましょう。次項のように概算しました。

実家の空き家には、年間50万円以上のお金がかかる!

実家の空き家に最低限の維持管理をする場合、必要な金額の概算は次のとおりです。

住んでいない家に、こんなに沢山のお金がかかるのです。

実家にかかる費用
地方都市にある木造一戸建ての場合

実家が市町村から「特定空き家(迷惑な空き家)」とみなされないためには、家屋・庭はきちんと維持・管理をする必要があります。

家屋の補修、庭の草取り、庭木の剪定 等の費用は、多少は節約できるかもしれませんが、空き家を管理するためには年間50万円を超える金額が必要です。

木造一戸建て 年間維持費用の概算(地方都市の場合)

区分 内容・明細 年間の金額
固定資産税 建物 約13万円
土地 約 4万円
約17万円
都市計画税 ※2 建物 約 3万円
土地 約1.5万円
約 4.5万円
水光熱費
(電気・水道)
約3,000円×12カ月 約 3.6万円
管理費 家屋の補修
庭の草取り
庭木の剪定 等
約30万円
合計 ※1 約55万円
概算の条件
 ※1. 「家のローン」「往復の交通費・宿泊費」は含んでいません。
 ※2. 都市計画税は「市街化区域」のみ
 ・土地面積、延べ床面積とも45坪程度
 ・評価額は建物900万円、土地1800万円とする
 ・取得後4年目以降の税額

実家にかかる費用
首都圏にあるマンションの場合

実家が分譲マンションの場合、庭の管理が不要となるため、年間の維持・管理費用は安くなるとお考えですか?

マンションの場合は、毎月の「管理費」と「修繕積立金」が合計金額を押し上げています。実家が分譲マンションの場合も、空き家を管理するためには年間50万円を超える金額が必要です。

マンション 年間維持費用の概算(首都圏の場合)

区分 内容・明細 年間の金額
固定資産税 建物 約12.5万円
土地 約 3万円
約15.5万円
都市計画税 ※2 建物 約 3万円
土地 約0.5万円
約 3.5万円
水光熱費
(電気・水道)
約3,000円×12カ月 約 3.6万円
管理費 約1.5万円×12カ月 約18万円
修繕積立金 約1.4万円×12カ月 約17万円
合計 ※1 約58万円
概算の条件
 ※1. 「家のローン」「往復の交通費・宿泊費」は含んでいません。
 ※2. 都市計画税は「市街化区域」のみ
 ・専有面積70㎡(共有面積は20㎡)程度
 ・土地の持分面積20㎡程度
 ・評価額は建物900万円、土地1200万円とする
 ・取得して6年目以降の税額

実家の空き家にかかる費用の内容

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日現在で所有している土地や家屋に対して課される税金です。
1月1日現在で所有者が死亡している場合は、その時点でその土地や家屋を現に所有している人が納税義務者となります。

固定資産税の金額は、固定資産税評価額の1.4%(固定資産税の標準税率) となっています。

固定資産税の軽減措置

ただし住宅用の土地に対する固定資産税には、「住宅用地特例」という軽減措置があります。

これには2とおりあって、建物がある土地の大きさによって、次のとおり区分されます。

固定資産税の軽減措置

1)「小規模住宅用地」(建物がある土地が200㎡以下の部分)
  → 税額は6分の1に減額
2)「一般住宅用地」(建物がある土地が200㎡超える部分)
  → 税額は3分の1に減額

「特定空き家」の固定資産税

市町村から「特定空き家」に指定され、それでも管理せず放置した場合には、上記の「固定資産税の軽減措置」の対象外とされてしまう場合があります。

固定資産税額が6分の1(又は3分の1)に軽減されていた措置が解除されるので、その際は土地にかかる固定資産税の金額が最大6倍に跳ね上がる可能性があるのです。

土地に対する固定資産税の軽減措置を受け続け、費用を安く抑えるためには、
 ・管理状態が良くない「特定空き家」に指定されないこと
 ・建物を解体して更地にしない(住宅用地でなくなる)
ことが重要です。

実家を守るためにも、定期的な維持管理は必ず実施しなければなりません。

都市計画税

都市計画法による「市街化区域」とされる地域にある家や土地は、都市計画税の支払いも必要です。

「市街化区域」って何?

市街化区域とは、都市計画法に定められた「都市計画区域(都市計画を考える範囲)」の内のひとつです。
「都市計画区域」は、「市街化区域」「市街化調整区域」の2つに分けられます。

市街化区域とは、すでに街の整備が進められて市街地になっている区域、おおむね10年以内に優先的・計画的に市街地として整備を図るべき区域、のことです。

「都市計画区域」の区分
・「市街化区域」とは、街の整備を進める区域のことです。
・「市街化調整区域」とは、整備を抑える区域のことです。

都市計画税の軽減措置

都市計画税にも、固定資産税と同様の「住宅用地特例」があり、最大1/3まで軽減されます。

都市計画税の軽減措置
1)「小規模住宅用地」(建物がある土地が200㎡以下の部分)
  → 税額は3分の1に減額
2)「一般住宅用地」(建物がある土地が200㎡超える部分)
  → 税額は3分の2に減額

光熱費(電気・水道)

定期的に実家の様子を見に行くため、電気(照明など用)と水道(トイレ用)は使えるようにしておく必要があります。

そのため、水道基本料金が毎月約2000円、電気基本料金(契約アンペア数にもよる)が毎月約1,000円で、計約3000円の費用が必要です。

管理費

実家が一軒家の場合は、家屋の補修や庭木の剪定にも費用が発生します。

実家がマンションの場合は、毎月の管理費と修繕積立金の支払いが必要です。

マンションの管理費の平均は、1㎡あたり約120円です。
また、修繕積立金の目安は1㎡当たり約200円です。

管理業者に依頼する方法もある

空き家の問題点(維持管理費が高い)まとめ

空き家の問題点まとめ
・実家には年間50万円以上の維持費用が必要
・実家が「一戸建て」でも「マンション」でも同様
・一戸建ての場合、家屋の補修、庭の管理などの費用が大きい
・マンションの場合、管理費、修繕積立金の費用が大きい

まなぶ

実家が、誰も住んでいない「空き家」だとしても、こんなにお金がかかるのです。

遠方の場合は、実家までの往復時間や交通費を考えると専門業者に依頼するのも賢い方法ですね。